1996年に緩和ケア病棟を立ち上げた当院では、患者さまのこれまでの人生、考え方、価値観を最大限に尊重しながら、「こころとからだのいやしのためにキリストの心でひとりひとりに仕える」全人的医療を実践しています。がんの緩和ケアは、がん患者さまのさまざまな苦痛(つらさ・困り事)に対して行われる治療・ケア・サポートの総称です。毎日がより過ごしやすくなるよう、患者さまの生活の質の向上をめざしています。「入院したらさいごまで」という従来の緩和ケアイメージとは異なり、状態に合わせて在宅への移行をめざすなど、患者さまに合わせた緩和ケアをご提案しています。
当院の緩和ケアの特徴
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ご家族との面会は
24時間いつでも可能全室個室のゆったりとした療養環境の中、ご家族は24時間いつでもご面会が可能です。ペットの面会もご相談ください。専門の医師やスタッフの支援のもとで、より良い時間を大切なご家族とともにお過ごしいただけます。
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スピード感ある対応で
かなえたい思いを大切にご相談から入院まで、スピード感を持って対応。登録された方については必要に応じて緊急入院にも応じています。進行が速いこともある病気との闘いの中で、一つでも多くの望みをかなえられるよう、迅速な判断とセットアップに努めています。なお、迅速なご対応させていただくため、早めのご相談をお勧めしております。
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状態に合わせた適切なケアを
入院・在宅療養の両輪で実施在宅から病棟への移行はもちろん、病棟から在宅への移行もスムーズです。当院附属クリニックの医師・看護師による訪問診療のほか、地域の訪問診療・訪問介護とも連携し、在宅療養中から入院までの治療・ケアに包括的に対応しているため、ご希望に合わせて流動的にサポートを調整できます。
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心の癒やしにつながる
療養環境個室の窓からは緑豊かな中庭を望め、春には満開の桜も眺められます。患者さまとご家族の心に寄り添うチャプレン(牧師)や、病棟での暮らしに彩りを添えるボランティア、セラピードッグなど、医療者以外にも多くのスタッフが患者さまとご家族を支えています。
患者さまに合わせた緩和ケア
当院では、「どのようなケアを、どこで受けたいのか」という患者さまの意思を尊重した緩和ケアを実践しています。
状態に合わせた適切なケアを入院・在宅療養の両輪でいたします。
緩和ケア病棟入院登録を行った患者さまについては、ホスピス相談室が定期的に状態を確認し、安心してご自宅で過ごしていただけるようにサポートし、必要時には入院の調整をいたします。
当院での緩和ケアをご希望の方は、まずはホスピス相談室までご連絡ください。
ホスピス相談室のスタッフにより、患者さまとご家族の状況を丁寧に確認させていただき、状況に応じて、ご相談から入院まで迅速に対応いたします。
緩和ケア病棟に入院して行う緩和ケア
緩和ケア病棟の最大の特徴は、24時間365日、専門的な緩和ケアを受けることができます。より安心して過ごしていただけるよう、ご家族の面会は24時間可能にしております。またチャプレン(病院付きの牧師)やボランティアによる心安らぐサポートをしています。
チームで行う緩和ケア
当院の緩和ケアには、全部で8つの専門職が1つのチームを組んで関わっています。医師・看護師だけでなく、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、薬剤師、チャプレン、ボランティア、地域で在宅医療を担う医師などがそれぞれの強みを活かして患者さまと接することにより、一人ひとり異なる生き方への思いや願いと真に寄り添うよう努めております。
在宅での緩和ケア
住み慣れた自宅での緩和ケアを望まれる場合は、当院の附属クリニックの医師・看護師が訪問診療・訪問看護を行います。地域の介護・看護サービスなどとも連携しながら、患者さまにとってベストな環境の提供をめざします。
対象範囲:
- 緩和ケア病棟に登録したが、自宅での療養が可能な方
- 緩和ケア病棟から、ご自宅に戻っての療養を希望される方
介護保険の適用:
在宅でも、65歳以上の方、および40歳以上でがんと診断された方は医療保険や高額療養費制度に加えて介護保険の利用が可能です。
在宅で受けられる緩和ケア:
病院の緩和ケア病棟に入院して受ける緩和ケアと同じように、在宅で診療や薬の処方を受けることができます。
また、介護保険を利用して、訪問リハビリテーションや訪問入浴介護、福祉用具の貸与などを受けられます。
訪問をする医師・看護師の紹介

医師(画像左)
医師(画像中央)
看護師(画像右)
患者さまに合わせた在宅療養と入院のスムーズな移行
在宅療養中に入院が必要な状況と判断された場合、在宅から病棟へスムーズに移行していただけます。当院附属クリニックの医師・看護師による訪問のほか、地域在宅クリニックとの連携もしております。
また、入院管理を受けていた患者さまが最後の時をご自宅で迎えたいと希望される場合にも、ご相談に応じ、体制を整えてサポートしています。患者さまを安心してご自宅に迎えられるよう、ご家族の支援も実施します。
多職種によるチームケア
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医師
身体のみならず、精神的なつらさにも配慮した
症状緩和をいたします。 -
看護師
医師をサポートしながら、患者さまを精神的に支えます。
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ボランティア
患者さまの病棟における生活の質の向上と、豊かな時を過ごしていただけるようお手伝いをいたします。
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チャプレン
苦悩や不安を受け止め、後悔のない意思決定ができるよう励まし導きます。
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薬剤師
患者さまの状態に合った薬物療法を提案したり、服薬指導をしたりします。
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管理栄養士
患者さまの病状や嗜好に合わせ、食べ物の種類や形状を管理し、栄養がとれるよう食事を調整します。
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在宅診療
患者さまとご家族がご自宅での緩和ケアを希望された場合に、訪問による緩和ケアを行います。