放射線科

適切な治療のためにはその病気が何であるか、的確な診断がなされなければなりません。
放射線科では、診断に必要な情報を取得するために、X線撮影やMDCT・MRI等の検査を行っています。そして検査によって得られた画像を放射線科専門医が読影し画像診断を行っています。

一般撮影

一般撮影装置 胸部正面 胸部側面 腰椎正面

※一般撮影は胸部や腹部、身体の内部の骨や関節などを写し出し画像化します。
金属類やボタン、プラスチックは影となり写真に写るため、撮影時は外していただきます。

MDCT

当院ではマルチスライスCTの高性能機種である64列CTを導入しています。短時間(十数秒の息止め)で数多くのスライスが撮影でき、胸部撮影では肺癌の検査に貢献しています。また整形外科では関節や脊椎の外傷・変形の立体的診断、複雑な微小骨折診断が可能になりました。
腹部CT法体内脂肪測定検査では、腹部のCT写真によって内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積状態を画像で確認することができます。そして腹囲とBMIと合わせてメタボリックシンドローム予防の参考にしていただきます。

CT装置 胸部 腰椎 右膝

腹部CT法体内脂肪測定検査の結果

透視撮影

透視撮影の中で消化管撮影は食道~胃~小腸~大腸までの消化管の疾患を見る検査です。
主に胃の検査ではバリウムを飲んでいただき胃の壁にバリウムを流しながら胃の状態を見て、 撮影します。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)では内視鏡を併用して胆管・膵管を造影し撮影します。
脊髄腔造影(myelography)ではくも膜下腔に造影剤を注入し、脊髄腔の形態を把握するために透視撮影をします。

透視撮影装置 胃正面 胆管像 脊髄腔造影側面像

MRI (Magnetic Resonance Imaging)

MRIは強力な磁石の中に身体を入れて、電磁波を使い、人体の断面をいろいろな方向から画像化する検査です。
脳、脊椎、骨盤腔等に生じた病変に関して優れた描出が出来ます。脳梗塞や出血の描出を行うMRA(MR Angiography)検査では、動脈瘤などの診断にも役立っています。
脊椎では、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折などの診断も可能です。
また、骨盤腔内の検査では、前立腺や子宮筋腫、卵巣のう腫などの診断に有用です。
CT検査とは違い、X線などの放射線を使わないので被ばくすることはありませんが、ペースメーカなど体内に磁性体金属のある方はMRI室に入れません。また、大きな筒の中に入るため、閉所恐怖症の方や妊娠中の方などは検査が出来ない場合もあります。
検査時間は、部位や検査方法によって異なりますが、およそ20分~50分位です。

脳動脈瘤 脳梗塞 頸椎椎間板ヘルニア 腰椎椎間板ヘルニア
卵巣のう腫 子宮筋腫 前立腺肥大 乳がん

マンモグラフィ

乳房のX線撮影のことをマンモグラフィといいます。
触診では分からないような小さな乳がんや腫瘤(しこり)をつくらない乳がんを見つけることが出来ます。また以前撮影した写真と比較する事によって乳房の微 妙な変化がわかります。この検査は板で乳房を圧迫することから、個人差はありますが痛みを伴なうことがあります。圧迫することによって乳房組織を見えやす くしたり被ばく線量を少なくしたり、体の動きを防止するなど精度の高い画像を得る効果があります。
マンモグラフィはX線検査なので放射線被ばくがあります。1回の撮影で乳房が受ける放射線量は東京からニューヨーク間の飛行機で浴びる自然放射線量の半分程度と言われています。また乳房のみに照射するので他の臓器への被ばくは心配ありません。
当施設ではマンモグラフィ検診精度管理中央委員会の講習会を終了した診療放射線技師(女性)が撮影します。
当院はマンモグラフィ検診精度管理中央委員会のデジタル画像評価認定施設です。(施設認定証発行番号 第2079号)

マンモグラフィ撮影装置 写真左:右乳房、写真右:左乳房

骨密度検査

DXA(DEXA)法による骨塩量測定は、骨粗鬆症の診断や経過観察のほか、腎不全患者の経過観察などにも広く用いられます。
下記のような様々なメリットがあります。
・骨変形による影響を受けず高齢者の骨診断が可能です。
・長期間の追跡測定が可能な優れた再現性がある。
・検査時間が短く(約15秒)被ばく線量が少ない。

骨密度の結果